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新旧のモンブラン マイスターシュテュック146を比較する 【70~80年と90年代モデルの146】

2021年9月18日

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皆様あけましておめでとうございます。そろそろ正月休みも終わりかけ、次週からに向けての準備をされている方も多いかと思います。本年も誰かの役に立てるような筆記具中心の、そしてたまにはガジェット記事も…という内容で書いていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

今年の記事第一号は、去年末の記事と同じメーカーである「モンブラン」でスタートしたいと思います。とにかく筆記具にハマると万年筆やらボールペンやらがどんどん増えていくわけですが、私が買ってきた筆記具で最も本数が多いのがモンブランのマイスターシュテュックです。特にボールペンは仕事でも使うことから際限なく増殖してしまうのですが、万年筆も負けず劣らず本数が増えてきました。その中から、モンブランの中でも一番ファンの多いとされるマイスターシュテュック№146にスポットを当てていきます。

 

 

 

 

以前の記事で7080年代の№146をレポートしましたが、今回はその記事の中で「欲しくなってきた~!いかんいかん」と呟いていた一本です。それは90年代のマイスターシュテュック№146。やはり比較ブログですので同じモデルのバリエーション違いをレビューしていきたいですね。

この№146についてはネットの情報も多めなのですが、万年筆ブームに乗って買い始めたものの、モンブラン万年筆の種類やバリエーションが多くてよく分からないという方や、この万年筆・ボールペンの仕様はどうだったっけな?という沼人の備忘録として当記事を活用いただけたらと思います。

 

それでは、以前に入手している7080年代のマイスターシュテュック№14690年代のマイスターシュテュック№1462本をじっくりと比べていきましょう!

 

 

 

 

 

【二本の№146の外観を比較!】

まず初めにお馴染みの外観比較から。大きく違う点としては、ニブ・ペン芯・インク窓・キャップの刻印などです。ニブとペン芯については後々の項目で比較していきますので、まずはインク窓とキャップについて掘り下げていきます。

 

左が90年代、右が70~80年代。

 

7080年代146のインク窓はクリアグレーとなっていて視認性抜群です。どことなくクラシックペリカンのようなインク窓ですね。一方、90年代の146149と同じストライプのインク窓。これがまたお洒落です。インクが減ってきたときの視認性については7080年代146が上ですが、デザインの良さは149をそのまま一回り小さくしたような90年代の146ですね。

 

 

続いてキャップの比較です。キャップは7080年代、8090年代、90年代(Pix®以前のモデル)の3種類を見ていきます。比べると、キャップリングの刻印は細字タイプと太字タイプがあり同じ70~80年代の146でも混在しています。手元にあるものでは、クリップリングに「GERMANY」刻印がある細字タイプ(7080年代)と、「W-GERMANY」の刻印がある太字タイプ(8090年代)、キャップリングに「GERMANY」と「シリアルナンバー」刻印がありの太字タイプ(Pix®刻印の無しの90年代)の3種類。

 

70~80年代で「W-GERMANY」と「GERMANY」が混在。一番右は90年代(反対側にシリアルナンバー)。

 

この3種類のキャップを手に入れて比べるまでは、製造年代的にクリップリングの刻印が「W-GERNANYGERMANY」に変わり、キャップリングの文字が細字タイプ太字タイプに変わっていったものだとばかり思っていました。が、実際は70年代~90年代の間のマイスターシュテュック146149のクリップリング及びキャップリングの刻印は上記で確認したとおりのため、モデルが変わる間に様々なバリエーションが生まれていたということになります。手元に無いもので言うと、クリップ先端の形状がおにぎり型でなで肩クリップのモデルもあります。

146149と同じく奥が深い!

 

 

【スペックを比較】

ここからは7080年代(旧モデル)と90年代以降(新モデル)で比較していきます。

意外と筆記感に関わってくるスペックですが、まずは重さについて、旧モデルが約20g、新モデルが約25gでその差約5g。私が新モデル(構造的に新モデルなのであって現行モデルではない)を買い足した一番の理由がこの重量の差にあるのです。私はキャップを尻軸に挿さずに筆記するタイプですので、胴軸だけの重さで書く場合15gの軸は軽すぎるのです(キャップが5g)。現行のマイスターシュテュック146の軸がベストバランスと言われるのは、このサイズの万年筆にしては若干重めに作られていることに由来していると考えます。

 

国内メーカー(主にパイロット・セーラー・プラチナ)の万年筆は大体が20g前後の重さです。インク吸入機構がカートリッジ/コンバーターということもありますが、旧モデルの146は万年筆としては一般的な重さといえますね。キャップを尻軸に挿して使う場合、20gというベストな重量バランスで書くことができます。

 

 

新旧146の重さの違いはピストンユニットの違い。旧モデルが樹脂製のピストンユニットに対して、新モデルは金属製のピストンユニットになっています。この5gの差が絶妙で、私のように尻軸にキャップをつけずにペンを寝かせて書くスタイルにはもってこいなのです。たかが5g、されど5g。万年筆選びに重さは重要なのです。

 

続いては長さについて。ペン先を収納している時の長さが約146mm。これはマイスターシュテュック146の名前の由来でもあるのですが、実は旧モデルと新モデルで若干違う場合があります。手元にある二本では旧モデルが145mm、新モデルが146mm。長い歴史の中で細かな仕様の変更を繰り返してきたマイスターシュテュックですので、バリエーションによって数ミリの違いはあるようです。長さが1mm違うから偽物なのでは?と思わずに、おおらかな気持ちで使いましょう!

 

 

【年代によってペン先の柔らかさは違う?】

 

最後は筆記感の違いについて。ニブはどちらも14金ですが、旧モデルは全金、新モデルはプラチナ装飾のバイカラーとなっています。書いてみた感覚としては旧モデルの全金の方がふわふわで柔らかなタッチに感じます。どちらかというとペリカンに近い感じ。新モデルの方はプラチナ装飾が影響しているのかは分かりませんが、旧モデルと比べて若干コシがある感じです。

 

 

ペン芯を見てみると旧モデルがエボナイト2段ペン芯。これは149のものと同じ仕様で、ニブの大きさに合わせて小型に作ってあります。149のペン芯をそのまま一回り小さくしたような造りで、エボナイトという素材も相まってインクフロー良好。

 

一方、新モデルのペン芯はプラスチックのヘミングウェイ型ペン芯。世代でいうとちょうど旧モデルのエボナイト2段ペン芯の後の型です。素材がエボナイトからプラスチックに変更になり、巷では首軸の構造も踏まえコストカットと嘆かれていますが、個人的にはインクフローも良く形も斬新なので好きですね。このヘミングウェイペン芯のインクフローは、ブルーブラック系のインクと相性が良く濃淡が出やすいため、これぞ万年筆!という文字が書けるのも大きな特徴。やはり万年筆で書いた文字はこうでなくては!

 

 

 

【まとめ】

今回は世代の違う2本のモンブラン マイスターシュテュック№146を比較してきました。マイスターシュテュック146149は共に歴史の長い万年筆のためバリエーションが多岐に渡りますが、その中でも7080年代モデルと90年代以降モデルは一番中古市場に出回るため見かけやすいモデルではないでしょうか。

 

マイスターシュテュックの楽しみ方は安定した書き味だけではなく、そのコレクション性の高さにあります。キャップリングの刻印やクリップの形状一つとっても様々なバリエーションがあるため、手元にあるものとはまた違う一本を探し求めるのも楽しいです。同時にそれは自分に合った一本を見つける楽しみと言えるかもしれません。キャップを尻軸に挿す場合は旧モデルを、キャップを挿さずに胴軸の重さで筆記をしたい場合は新モデルを選ぶというのも一つの判断基準として良いかと思います。

少し記事が長くなりましたが、これからマイスターシュテュック146を買おうかと考えている方の参考になれば幸いです。それでは今年も良い筆記具に出会えますよう。今回はこの辺で。

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