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パイロット カスタムカエデとカスタム74 ボールペン 【74二種とカエデの比較】

2021年9月14日

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こんにちは。 

今回は久しぶりのボールペンのレポートでいきたいと思います。しかも書き心地で定評のある国内メーカーです。国内メーカーのボールペンは性能が良く、その技術は常に世界のトップを走り続けているといっても過言ではありません。

とは言っても、このブログを読んでくださっている方ならお分かりかと思いますが、毎度の事ながら、私は筆記具においては最新技術のものより伝統的なものを取り上げる妙なクセがあります。そして今回も例外なく、フリクションのような最新ボールペンではなく、クラシカルな趣の軸で王道の油性ボールペンであるパイロットのカスタム74とカスタムカエデを取り上げてしまうのです。

 

パイロットは2018年、創業100周年を迎えました。1918年に株式会社並木製作所として創業開始、1938年にパイロット萬年筆株式会社への商号変更を経て、1989年に現在の株式会社パイロットとなっています。パイロットの筆記具に付けられた「74」や「823」等の数字は、創業以来の年数だとされています。1992年に誕生したカスタム74は今も一番ポピュラーなモデルとして愛されています。

 

今回レポートするのは、カスタム74ボールペンの中でもエントリーモデルに位置する「BKK‐500R」の伊東屋モデル「BKK‐500RSB」と、カスタムの木軸モデルであるカエデ「BK‐1000K」の2本。

以前に回転繰り出し式ボールペンのカスタム74「BKK‐1000R」をレポートしましたが、この2本はキャップノック式(キャップスライド式)の兄弟モデルです。

 

伊東屋限定カラーを選んだ理由は、カスタム74「BKK‐1000R」が黒金の仏壇カラーということもあり、パイロットの爽やか()な黒銀モデルを持ってみたいという簡単なものでした。パイロットの黒銀カラーのボールペンで私が真っ先に思い浮かべるのがカスタムヘリテイジですが、よりクラシカルなカスタム74に惹かれてしまいます。

仕事でも黒金のボールペンより黒銀のボールペンの方が先方に爽やかなイメージを与えることはまず間違いないですし、「カスタム74だけど黒銀」というフレッシュなギャップを仕事しながら味わいたかったというのも本当のところです。

 

カスタムカエデを手にした理由は、木軸だということ。そして次に、木軸であるということ。最後に加えるならば、やっぱり木軸だから、なんですよね。ようは木軸の筆記具がたまらなく好きなのです。

ペンともに歩んできた時間が軸の色変化に現れるという、なんとも愛着が湧く素材ではないですか。カスタムカエデは素材にイタヤカエデが使われています。このボールペンも美しく透き通る宝石のような木肌を見せてくれます。

 

とうことで今回はこの2本を、上位モデルである回転繰り出し式のカスタム74「BKK‐1000R」と比較しながらレポートしていきます。

 

 

 

 

【カスタム74とカエデ スペックの比較】

カスタム74が2本あるので、以降は分かりやすく「BKK‐500RSB」をカスタム74(500)、「BKK‐1000R」をカスタム74(1000)と表記します。

それでは3本の軸から見ていきましょう。

 

まずスペックですが、
カスタム74 (500):全長137㎜、最大胴軸径13.0㎜、重さ17.5g
カスタムカエデ  :全長137㎜、最大胴軸径12.8㎜、重さ27.2g
カスタム74 (1000):全長142㎜、最大胴軸径13.8㎜、重さ27.7g
となっています。
 

全長についてはカスタム74(500)とカスタムカエデが同じ137㎜。上位モデルのカスタム74(1000)5㎜長い142㎜となっています。上位モデルのカスタム74(1000)は大きめの万年筆と合わせて持ち歩いても違和感がないくらい堂々とした佇まい。

一方、一般的と言える全長のカスタム74(500)とカエデは普段使いに適したサイズと言えます。特にカスタム74(500)は重さの面でも一番軽く、エントリーモデルらしく万人向けと言えるでしょう。

重さといえば、カスタムカエデはカスタム74(1000)とほぼ同じ重量で、握った感じもずっしりと安定しています。コンパクトでいてズッシリくる、ガジェット好きにもたまらないこの密度感が所有欲を満たしてくれます。

 

 

【カスタム3本の軸を比較してみる】

カスタムカエデの胴軸を見ると、クリップ付近からペン先に伸びる木目がまるでドット柄のような模様となっています。そして裏面は対象的に、光の当たり具合により表情を変える透き通った美しい木目を楽しめます。

こういった一本一本の個性も、マーブル軸と同じで同じ表情のものが二つとしてない木軸ペンの面白さと言えましょう!

 

3本の軸を並べてみると、それぞれに美しさがあります。黒銀は誠実で爽やかな印象を与え、黒金の軸は貫禄と威厳をまとっているようです。

そして木軸と金トリムの一体感が美しいカエデはカジュアルでありながら洗練された、日本人の手にも馴染む色合いとなっています。

 

3本それぞれのキャップリングの違いです。

カスタム74(500)はシルバーの細いクリップリングに「CUSTOM 74 ★ PILOT MADE IN JAPAN ★」の刻印。カスタム74(1000)のように黒く墨入れはされておらず、エントリーモデルだということがうかがえます。

こう並べてみるとリングの太さも(1000)(500)でかなり違いますね。(1000)は重厚感が漂います。

一方、カスタム74(1000)と同じゴールドトリムのカスタムカエデは段差がついたシングルのキャップリングを採用しています。刻印も「CUSTOM ART CRAFT  JAPAN」と非常にシンプル。
リングを二重にしないのは、はやり素材の良さを際立たせたいからでしょうか。それもそのはず、胴軸はとても艶やかに磨き上げられていて、透き通る木目の美しさを堪能できます。

 

 

【キャップノックと内部構造を比較していく】

カスタム74(500)とカエデはノック感にも確かな違いがあります。軸が軽いカスタム74(500)はノックも軽やか。少々軽すぎる気もします。定価5000円のボールペンですので、個人的にはもう少し重みがあるノック感でも良かったのではと思います。

カエデについてはその軸の重みに相まって、非常に弾力のあるノック感となっています。私が持っているキャップノック式のボールペンでいうと、以前記事にしたアウロライプシロンのノック感に似ています。このノック感には素材の重さが関係しているのではと考えます。

アウロライプシロンはスターリングシルバーのキャップ、カスタムはイタヤカエデ。心地よい弾力でキャップをはじく事ができます。

※パイロットのHPには「キャップスライド式」と記載されていますが、キャップごとノックして芯を出す仕組みのため当ブログでは紛らわしくならないように「キャップノック式」と表現しています。ちなみにカスタム74(1000)は回転式です。

 

キャップを外して構造を見比べてみます。

2本を見比べてみると、胴軸側のネジ切りがカエデの方が頑強に作られていました(画像の部分)。

リフィルは3本共に「BRFN-30」。カスタム74(1000)のみ初回装填リフィルは太字、他の2本は細字です。

キャップ側の中の構造も2本で違っています。カスタム74(500)はプラスチックのネジ切り、カエデは金属製のネジ切りが使われています。

カエデは安定した重みとノック感を実現するために内部構造に金属を多用してあります。これが気持ちのよいノック感の秘密だと言えますね。

天冠とクリップの形状はどちらも同じですが、カエデの天冠は木目とツヤが素晴らしい出来で、いつまでもナデナデしたくなるのと同時にノック願望を誘発させてきます()。本当に木軸の筆記具はいつまでも触れていたい欲望に駆られますね。罪な素材です。

 

 

【気になる書き心地とまとめ】

筆記感はアクロインキ特有の、油性インクでありながらダマにならず滑るような筆記を楽しめます。職場ではサラサラの書き心地であるジェットストリームが人気ですが、個人的には油性インクの王様はアクロインキだと思っています。

それほどアクロインキの書き心地は別格と言えます。なので、ジェットストリームのように、パーカータイプのアクロインキリフィルが出たらいいなーと思うのです。

 

さて、今回はパイロットボールペン3兄弟をレポートしました。

値段的には定価がカスタム74(500)が五千円、カスタム74(1000)とカスタムカエデが一万円ですが、この5千円の差は大きい!と感じました。所有満足感・筆記感を満たしてくれるのは間違いなく一万円の方ですので、500と1000と二種類あるけどどうしよう?と迷われているかたにはカスタム74(1000)やカスタムカエデをお勧めします。

カスタム74(500)は手軽にアクロインキの書き味を試してみたい!というかた向けかと。(とは言っても、このカスタム74で黒銀の組み合わせがたまらなくかっこいいわけですが

 

書き心地はいずれも折り紙付き。あとは重量・素材でお好みを選んでみるのはいかがでしょうか。

それではまた。

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