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パロミノ ブラックウィング 【消しゴム付き鉛筆の比較】

2021年9月11日

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こんにちは。今回は前々から気になっていた鉛筆を購入しましたのでレポートします。

その名はパロミノ・ブラックウィング。

特徴的なフェルール(消しゴムを固定する金属部分)のパロミノ・ブラックウィングを他の消しゴム付き鉛筆と比較します。

 

 

 

 

なぜこの鉛筆が気になっていたかというと、ジェームズ・ウォード著の「最高に楽しい文房具の歴史雑学」を読んだ際に、その歴史に惹かれたからなのです。かなりざっくり言うと現在出回っているブラックウィングは過去の復刻版で、オリジナルは1998年に部品枯渇から発売中止となっています。熱心なファンが多いこの鉛筆を、2010年にカリフォルニア・シダー・プロダクツ・カンパニーが「パロミノ・ブラックウィング」として復活させた、という訳です。

 

今回、新モデルが発売されたということで試しに購入してみたのですが、何かが違う…。ブラックウィングというと通常六角形の軸なのですが、手元にあるものを見ると丸軸。

どうやら丸軸のモデルを買ってしまったらしい…。

なにかスッキリしませんが、このままレポート・比較をしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

【特徴的なフェルール】

 

まず、ブラックウィングといえば、この特徴的なフェルールではないでしょうか。ぱっと見は筆のようにも見えてしまう金属の形状。黒い消しゴムがお洒落ですね。

そしてそして、なんとこのフェルールについた消しゴムは交換が可能なのです!消しゴム付きの鉛筆は国内産でも様々なメーカーから出ていますが、今のところ鉛筆で消しゴム交換が可能な鉛筆は無かったように記憶しています。

 

 

消しゴムの交換の仕方は、消しゴムの根元にある出っ張りをそのまま引き抜くだけ。

出っ張りの部分は消しゴムを破損させないためのアダプターのような役割をしています。

 

 

消しゴムつきの鉛筆は消しゴムを使い切るとただの鉛筆になりますが、パロミノ・ブラックウィングは鉛筆を使い切るまで交換が可能。交換すれば何回でも使えます。

 

 

軸はグレージュのような色味で上品。塗装は手触りからウレタン塗装のように思います。一般的なグロスペイントされた丸軸鉛筆よりは滑りやすい印象を受けました。軸のエンボスプリントは「PALOMINO BLACKWING・1」。

個人的に非常に残念なのが、丸軸はポケットシャープナーで削りにくいということです。さっそくこのブラックウィングも切れ味に定評のあるDUXで削ってみたのですが、指が滑る滑る

 

とても削りにくい!

 

ここは大きなマイナス点です。なんで私は丸軸のを買ってしまったのでしょう。

 

 

【他の鉛筆と長さ・字の濃さを比較】

それでは、他の消しゴム付き鉛筆とも比較をしていきましょう。

今回比較をするのが下にある3本。

 

上から、

パロミノ・ブラックウィング(USA

カランダッシュ(スイス)

ステッドラー Art.Nr.1822(ドイツ)

 

大陸VSヨーロッパ連合みたいになってしまっています。(もっともスイスは中立国ですが

ともに丸軸での比較です。USA製の鉛筆ということで、比較には本当はディクソン・タイコンデロガを準備するべきだったのかも知れませんが、すぐに手に入らなかったため国別対抗とします。

 

 

 

それでは長さの比較です。ブラックウィングは先が削られていない状態で売られていますので、尻軸のフェルールを含めかなり長く感じます。

それに対して、カランダッシュとステッドラーは先が削られた状態で販売されており、若干ですがブラックウィングの方がお得感があります。

ちなみにステッドラーの鉛筆は九九を習い始めた息子にと買ったもので、軸に1×1~10×10までの九九がプリントされているというカンニング仕様!

 

と言っても、息子にこれだけ堂々とカンニングさせるわけにはいかないので、自宅で使ってもらいます。

 

 

実際、ブラックウィングの先も削ってみました。(丸軸削りにくい…)削った後でもブラックウィングが一番長いですね。交換可能な消しゴムの恩恵に与るために、長めに設計されているのかも知れません。

 

 

ブラックウィングとカランダッシュの長さの差は約15mm。軸に使われている木材も異なっているように思います。カランダッシュの方も新品なのでペン先上の部分にビニールが被せてあります。(849でもお馴染みのアレです)

 

 

それぞれのフェルールを見てみるとデザインが異なっています。やはりブラックウィングのクロームに輝く、存在感のあるフェルールはかっこいいですね!

 

カランダッシュとステッドラーのフェルールも丸形でありながらデザインは異なっているようです。素材はニッケルでしょうか。カランダッシュのフェルールの方がエッジが効いており見た目は好印象です。

 

 

 

3本の鉛筆を書き比べてみました。それにしても3本とも軸に硬度の表記がありません。笑

ブラックウィングは相当柔らかな書き心地です。色も一番濃く、おそらく2Bくらいの濃さがあります。「力は半分、でもスピードは2倍」とうたっていたオリジナルの書き味を忠実に再現していそうです。オリジナルの芯は黒鉛と粘土の混合物に蝋を加えていたらしく、それが柔らかな書き味につながっていたようです。

 

カランダッシュとステッドラーは一般的なHB程度の硬度かと思われます。サリサリとした書き心地。海外製の鉛筆っぽい書き味です。

 

 

【消し字力】

では、せっかく尻軸に消しゴムがついているので、その消し字力とやらを試してみます。はたしてそれぞれの鉛筆は、自身の書いた黒鉛を己の消しゴムで綺麗に消せるのでしょうか。

 

 

 

用紙:ロディア LINED

 

用紙にそれぞれの鉛筆で横線3本、塗りつぶし、日本語で「丸軸」と書きました。それをそれぞれの鉛筆に付属している消しゴムで、縦、横、ごしごし消すという3つの方法で消してみます。

筆圧は人並み。

それでは実験開始です!

 

・・・・・・・・・・・。

 

 

 

結果は意外や意外、面白い結果が出ました。ひとつずつ見ていきましょう。

 

 

 

 

一番気持ち良く消えたのがブラックウィング。これは流石といったところでしょうか。消しゴムの形状も丸ではなく四角なのでとても消しやすい。ちょうどトンボのホルダー消しゴム「モノゼロ」のような消し心地です。

日本語も全く見えないところまで消せているかと言えばそうではないですが、付属の消しゴムとしてはまずまずです。

 

 

 

 

 

そして次にステッドラー。こちらもなかなか綺麗に消せています。消しゴムの形が丸いために消したい細かなポイントを当てるのが難しいですが、縦・横ともに良好な消え加減。日本語に至ってはブラックウィングの消し字力を上回っていると言えます。

 

 

 

 

最後はカランダッシュ。

見事なオチを用意してくれていました。まったく消しゴムとしての機能を果たしていませんw

 

消えていないどころか黒鉛が伸びてしまっています。日本語消しに至っては黒で塗りつぶしたみたいになっています。(確かに字を消したと言えば消えてますが…)消しゴムの形や色味はステッドラーのものと見分けがつかないのですが、ここまで消し字力の性能に差があるとは…。

※購入した文房具店に長期保管されていた在庫である可能性もあり。

 

小学生の時に初めて使った消しゴム付き鉛筆のほろ苦い記憶が蘇りました。

 

 

 

それぞれ字を消したあとの消しゴムはこのようになっています。

 

 

【まとめ】

さて、いかがでしたでしょうか。パロミノ・ブラックウィング購入を機に、3つの消しゴム付き鉛筆を比較してみました。

結論から言うと、ブラックウィングの性能は書き味・消し加減ともに申し分なく、鉛筆でありながら所有感を満たすものだということ。

しかし個人的には六角軸のブラックウィングを買い直したい。丸軸は本来のブラックウィングの良さを殺してしまっているのではないかと思うのです。(と言っても六角軸のブラックウィングを使ったことないのですが…)

 

3本の鉛筆の比較では面白い結果が得られました。やはり付属の消しゴムは付属の消しゴムとして、最終手段で使用するのが良さそうです。

ただ一本、ブラックウィングを除いては。

 

それではまた。今回はこの辺で。

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