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マーブルレジンの万年筆 【ビスコンティ/ヴァン・ゴッホ タートル】

2021年9月11日

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こんにちは。

前回に引き続き、今回も万年筆のレポートをしていきます。今回の万年筆は手に入れて間がない一本です。

やはり新しい万年筆に出会うとわくわくしますね~。しかも新しく手に入れた万年筆は、自身初めてとなるマーブルレジンの樹脂軸。実に美しい!

 

 

 

ビスコンティ/ヴァン・ゴッホシリーズの万年筆。前回のアウロラ/イプシロンに続きイタリアの万年筆です。このタートルというモデルは現在は販売されていない?ようですが、ビスコンティの魅力がひしひしと伝わってきます。

ビスコンティは1988年に2名の万年筆コレクターによって設立され、歴史としてはまだ若いブランドです。そのため同じヨーロッパ出身のペリカンやモンブランやアウロラに比べると、万年筆に詳しい方以外にはマイナーな筆記具メーカーに感じるかもしれません。

 

 

しかしながら生み出される筆記具のデザインの美しさ、インパクトはメジャーなブランド以上のものがあると言っていいでしょう。

特に様々な色が混ざり織りなす樹脂軸のマーブル模様は、デザインのモチーフを余すことなく表現しています。ビスコンティからは様々なシリーズがラインナップされていますが、その中でもこのヴァンゴッホと比較的手が出しやすい価格のレンブラントは、目に触れる機会も多いのではないでしょうか。

実際に手にしてみてその美しさたるや…。コレクターがいるのもうなずけます。

 

それでは見ていきましょう。

 

 

 

 

【ビスコンティ/ヴァン・ゴッホのスペック】

全長:145mm

重さ:32g

軸径:13mm

 

万年筆としては大きめで存在感があります。キャップを尻軸にさして使うとリアヘビーとなるため、好みではありますがキャップは外した状態で使うのがいいかもしれません。以前レポートしたパイロットのカスタム74も大きな万年筆というイメージでしたが、ヴァンゴッホはさらに2mm長く、私のペンケースの中でも一番の大きさを誇ります。

握ったときに大きな万年筆ほど満足感が上がるのか、ペンケースを開いて何か書こうとしたときにビスコンティに手が伸びます。

モンブランのマイスターシュテュック149等の太軸万年筆に人気が出るのもわかる気がします。

 

 

【美しいマーブルレジンの胴軸】

 

ヴァンゴッホはネジ式キャップの万年筆です。まず目が行くのは琥珀のようにも見え、べっ甲のようにも見えるクリアブラウン×ベージュのマーブル模様です。樹脂軸のなかで、特にマーブル軸はその複雑で唯一無二の模様が魅力です。まさに、たかが樹脂と思うなかれ、というやつです。

私は万年筆を使い始めた頃、ウォーターマン等の金属軸の万年筆を好んで使っていました。万年筆は自重でペンを走らせるため適度な重さが必要と考えていましたし、安い買い物ではないので素材は断然高級感のある金属でしょ。と思っていました。

 

しかし、いろいろな万年筆を使っていくうちに考えは変わり、樹脂軸こそ万年筆の醍醐味と思うようになりました。そう思うきっかけとなったのが、デルタの万年筆「ドルチェビータ」や「スクリーニョ」です。マーブルレジンの塊を職人が一本一本削って磨き上げられる軸には透明感があり、同じ模様が2つとありません。光の当たる加減で色が変わり、さながら小宇宙の星雲が手の中にあるような錯覚に陥ります。ビジネスで使うのは黒い樹脂軸が多いですが、デスクで作業をする場合、色の変化を伴う樹脂軸の万年筆を使うと なんとも言えない高揚感と満足感が得られるのです。

 

私の主観ではありますが、そういった理由で今は樹脂軸の利用がメインとなっています。このビスコンティも例外ではなく、万年筆を持つ喜び、使う喜びを感じさせてくれるのです。

 

 

【橋がモチーフの特徴的なクリップ】

 

クリップには「VISCONTI」のブランドロゴが。また、このクリップの形はイタリアのポンテベッキオ橋がモチーフにされていて、デザインの出会いを意味しているそうです。

 

バネ式クリップのため挟む力は申し分ありません。クリップの形は、正面から見るとキャップの太さに対比して薄いため安定性に欠けるように感じたのと、クリップのデザインがデザインだけに挟みやすさは良いとは言えません。

私はこの万年筆をポケットに挿して持ち歩くことはしないので気にしませんが…。

 

 

クリップの反対側にはクリップを止めているマイナスネジがあります。実際にドライバーで回すこともでき、クリップの調整にも使えます。デザイン的にも面白いアクセントになっていますね。

 

 

【まるで琥珀のようなキャップ】

 

続いてキャップ全体。見れば見るほど美しい模様をしています。クリアブラウンのキャップ越しに、中の銀色に輝くニブが見えます。マーブルでありながらデモンストレーターのような面白さも併せ持つ珍しいデザインではないでしょうか。

 

 

キャップリングにも豪華なデザインが施されています。正面には「VISCONTI」、裏面は「VAN GOGH」、文字間にVマークが施されています。この太いシルバーのキャップリングがこの万年筆の豪華さを際立たせていますね。

 

 

【ヴァン・ゴッホのニブ/コンバーター】

 

ニブとコンバーターのデザインを見ていきます。大型のニブです。ミュシャの絵画を思わせる美しいデザイン。

 

 

刻印は「VISCONTI 14K 585 F」ペン芯は細かなスリットが入っています。ペン芯の先にもVのマークが。

ビスコンティの万年筆の特徴として首軸の美しさもあります。金属の首軸にVマークの装飾が豪華ですね。

 

 

コンバーターはつまみの部分も金属です。この部分はモデルによって樹脂製の場合もあるようですね。

こちらにもビスコンティのVマーク装飾があり、この銀色のコンバーターがクリアブラウンの軸から透けて見えるというニクい演出です。

 

 

【14金の滑らかな筆記感】

 

文字を書いてみました。各万年筆との字幅の差はこのような感じです。先ほど書いたように、ペン先はF。こちらは海外製品らしいというか、しっかりとした字幅のFです。(一番上がビスコンティ)紙の上を走らせてみるととてもなめらかで、ペリカンの筆記感に似ているような気がします。前回のアウロライプシロンやガチニブと言われるウォーターマンとは正反対の筆記感です。

 

手元にビスコンティが届いた時に試し書きで入れたインクはブルーブラックでした。上の写真でビスコンティとパイロットは同じインクを入れています。同じブルーブラックのインクを入れたパイロットのカスタム74と比べても文字の色が濃く、インクフローが潤沢であることがうかがえます。

 

 

今回、私の筆記具の師匠から届いたモンブランのトフィーブラウンを入れて書きました。色がブラウンということもあり濃淡がはっきりと出て、ペン先Fと相まっていい味の文字が書けます。これはかなり私の好みの色です!

 

 

 

 

【ビスコンティ/ヴァン・ゴッホまとめ】

ビスコンティの軸はとにかく美しいの一言。マーブルレジンの軸は様々な色が解け合い唯一無二の模様となっています。一本一本が職人の手作業で削られ、仕上げられている。それだけでもかなり満足感の高い万年筆となっています。ペン先も14Kで書き味はとてもなめらかでした。書き味が好みだと文字を書くのが楽しくなりますし、文字が走るとアイデアも浮かんできます。考えを言語化することは重要だと思わせてくれるペンですね。

インクフローも十分で万年筆の醍醐味を味わえます。ブラウンのインクとともに私のメインの一本になりそうです。

今のところは発症していないですが、他のシリーズも欲しくなりそうな予感がします。様々な色の軸や他の魅力的なシリーズのラインナップもありますので、気になられた方はビスコンティを検索してみるのも良いかと。

 

それではまた沼のふちでお会いしましょう。

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