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モンブランのローラーボールがお勧めな理由!【マイスターシュテュック ソリテール ドゥエ シグナム クラシック】

2024年1月24日

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今現在、俄然、ローラーボールが面白い。
 
最近はカヴェコの記事が多めでしたが、今回は同じドイツ製ということで久々にモンブランをレビューしていきます。
 
モンブランの筆記具はもうかなりの本数となったのですが、基本的にベーシックなモデルばかりを入手してレポートしていました。
まあ、仕事で使うことがメインですので、あまりお高くて煌びやかな限定モデルは買ったとしてもおいそれと仕事で使えないというか、取り扱いに困るので…。(という言い訳をして自分にブレーキをかけておこう)
 
しかし今回はちょっとだけその枠から外れた「変わったモデル」を仕事で使っているので、それを取り上げていこうかと。
 

 
そのペンはローラーボールで大好きな#144サイズの、
「モンブラン マイスターシュテュック ソリテール ドゥエ シグナムクラシック ローラーボール」。
 
とにかく名前が長すぎますね(笑)
 
「シグナム」とはラテン語で「記号」を表す言葉の英語読み。
その名の通り、胴軸に通常のマイスターシュテュックには無い彫刻が施されています。
 
シンプルなマイスターシュテュックも良いですが、複雑にデザインされた「記号」が軸に散りばめられた特別なモデルもまた美しい!
それではワンランク上のマイスターシュテュックの詳細を見ていきましょう。
 

 

 

 

ソリテールドゥエ シグナムクラシックのデザイン

シグナムクラシックのベースモデルはマイスターシュテュックソリテールのステンレススティール。
ベースモデルと言うだけあって、おそらくキャップは同じなのではないかと思うくらい似ています。いや、実際同じなのかも知れません。
 
ベースのソリテールステンレススティールを持っていないので実際のキャップの違いを比較することができないのが残念ですが、比較はさておき、キャップのデザインから見ていきます。
 

 
まずはここでしょう。
ソリテールシリーズの特徴とも言える天冠のホワイトスター。ソリテールドゥエを2本並べて見ました。
 
ソリッドなステンレスにちょこんと乗ったホワイトスターのレジン。モンブランのソリテール ドゥエはこの天冠デザインの違いを眺めるだけでも非常に愉しめる筆記具です。
 
ちなみにモンブランソリテールドゥエの正式名称(読み方?)が「ドゥエ」なのか「ドウェ」なのかどっちなんだ、という話がありますが、綴りを書くと「due」(2つの)となります。
 
「ソリテール ドゥエ」とは2つの異なる装飾素材を1本のペンに収めているという意味なのではないかと考えます。実際どのような意味なのかはモンブランのHPにも書いていないので断言はできませんが…。
 
結論、発音の仕方や聞こえ方によるので「ドゥエ」でも「ドウェ」でもどちらでもいいのかな、と。
以前の記事では「ドウェ」と書いていたのですがお気づきだったでしょうか。
【以前の記事】

細かすぎて伝わらないモンブランマイスターシュテュックソリテールドゥエスターリングシルバーボールペンのレビュー
 
それでは話を戻して、キャップのデザインです。
 

 
クリップリングには「シリアルナンバー」と「GERMANY」の刻印。
これは通常の#164等と同じ構成です。
 

 
クリップ裏には「Pix®」。
これは近年のマイスターシュテュックに付けられている歴史的なトレードマーク。ヴィンテージモデルのペンシルの名前に由来します。
 
通常のマイスターシュテュックはクリップ裏とキャップリングに「Pix®」と入っていますが、このモデルはクリップ裏のみです。
キャップリングには太めの字体で「MONTBLANC-MEISTERSTUCKー」。
 

 
鏡面加工のキャップに対して、マットシルバーな加工となっているキャップリング。
この見せ方がなんともニクい。
 
ベースモデルと一番違う点が、胴軸の彫刻と尻軸の刻印。
特に胴軸に関しては「シグナム(=記号)」の名に相応しいデザインが施されており、一見の価値ありです。
 

 
グロッシーなレジンの胴軸に複雑なパターンが刻印されています。
よく見るとこのパターンの一部に小さな「ホワイトスター」がデザインされていてさり気なくお洒落。
 
レジンでありながら見る角度によって様々な角度に光を反射して、まさに宝石のような複雑なパターンのカットです。
レジンも加工の仕方によって宝石のような輝きを放てるという良い見本ではないでしょうか。
また、この彫刻は触り心地も最高。溝が深いため軸を持った時に滑りにくいという効果もあります。
 

 
尻軸に目をやると金属製の尻軸に「MONTBLANC」の刻印がぐるっと一周入っています。
ここもこのモデルの特徴で、全体的につるんとして殺風景になりがちなステンレススティールの全体像に華々しいアクセントを添えているのです。
 

 
改めて全体像ですが、無機質でシンプルなステンレスのキャップに複雑な彫刻の胴軸が実に良くマッチしていますね。
 

 

1441とサイズやデザインを比較

同じソリテール ドウェのスターリングシルバー#1441とキャップを比較していきます。
 

 
さっそく並べてみました。
スターリングシルバーが色味的にシルバーとゴールドでジュエリー的な印象を受けるのに対して、シグナムクラシックの方はブラックとシルバーを基調としていてビジネスライクな印象。
 
ステンレススティールにはスターリングシルバーにあるような「METAL」や「LAITON」といった素材の刻印は見当たりません。
 

 
▲それぞれの写真において、左がシグナムクラシック、右がスターリングシルバー
胴軸・尻軸のデザインもこのように違っています。
 

 
全体を比較します。
スターリングシルバーの方は万年筆ですがサイズはピッタリ。この筆記具としてベーシックかつコンパクトなサイズは本当に携帯しやすいです。
 

 
続いては、万年筆とローラーボールの重量の差を比較してみましょう。
ペンを構成するパーツの素材や配置はほとんど同じな2本ですが、重量には差がありローラーボールの方が重くなっています。
 
シグナムクラシックローラーボールが34g、スターリングシルバー万年筆が26g。
この重量差は尻軸やリフィルの重みだけではなく、首軸の素材の違いに寄るところが大きいです。
 

 
シグナムクラシックローラーボールの首軸は金属製。
というよりHPのスペックから察するに、モンブランマイスターシュテュックローラーボール全モデルの首軸が金属製なのかなと。(通常モデルのローラーボールを持っていないため不明)
 
そして、首軸の重みは次の項の「書きやすさ」に繋がっている部分でもあります。
それでは事項へどうぞ。
 

 

書きやす過ぎたモンブランのローラーボール

ローラーボールはすでにいくつかのメーカーのものを持っており、書き味についてはだいたいの予想を立てていました。
しかし、今回良い意味で裏切られたのがモンブランのローラーボール。
 
一般的にローラーボールのリフィルは水性インクのためインクフローが良く、字幅も太くなりがちです。
今まで使ったローラーボールで唯一、細字と感じたのがアウロラのオプティマ。
まあ これはペリカンの細字を入れているので、特段細いなという印象もなく使っていました。
 
しかしモンブランのローラーボールに黒インクを装填して使ってみると、黒のハッキリした線に、これまた中字だけど細字ライクな字幅の組み合わせ。そして優れた筆記バランス。完全に惚れました。
 
非常に書きやすくて書いた文字も見やすい!
 

 
私はブログのネタ帳を持ち歩いているのですが、そのノートへの記入が実にしやすいのです。
 
そのノートはアピカ株式会社の「C.D. NOTEBOOK」。
紙質が良く、どちらかというとボールペンでの記入に適したノートだと思います。
 
以前はこのノートに万年筆でネタを書き込んでいたのですが、紙の表面がつるつるのため万年筆で書く場合、私の弱めの筆圧では紙面にインクが乗らないことがしばしば。
 
しかもインクフローがよい万年筆で書くと裏移りで次のページが見にくくなっていました。
ボールペンが適していると書いたのはそのような出来事からなのですが、モンブランのローラーボールでは字が乗らないことやインクフローが良くても裏抜けすることが全くありません。
 

 
挿絵、文字共に快適な筆記感!
もうこのペンでなければ、このノートに書く気が起きないくらいです。
 
その快適な筆記感を演出しているのが、前述した軸の重量。
モンブランのローラーボール自体使うのが初めてのためマイスターシュテュック#163の書き味と比較はできませんが、首軸が樹脂ではなく金属にラッカーという点が快適な書き味に繋がっているのではないかと考えています。
 

 
首軸を握った時の安定感。ちょうど握る部分が一番重く設定されています。
それがローラーボールのスラスラとした水性インクの書き味と非常に良くマッチしているのです。
 

 

他のローラーボールと比較

ここでは書き味の比較として、他社のローラーボールと比べてみます。
 
比較にはアウロラ/オプティマ、クロス/タウンゼント、ファーバーカステル/イントゥイションの3本を使います。
一本ずつスペックを見てみると、
 
〈モンブラン/シグナムクラシック〉
携帯時の全長:135mm  重量:34g
 
〈アウロラ/オプティマ〉
携帯時の全長:126mm  重量:31g
 
〈ファーバーカステル/イントゥイション〉
携帯時の全長:125mm  重量:29g
 
〈クロス/タウンゼント〉
携帯時の全長:149mm  重量:40g
 
 
と、スペックはそれぞれですが、書き味は軸の重量と全長、リフィルのインクの粘度が関係しています。
 

 
筆記感で似ているのはシグナムクラシックとオプティマ。
それほど出過ぎないインクと字幅の細さが日本語向きと言えます。
 
逆にインクフローが良く、ローラーボールの大味な書き味(失礼)が楽しめるのがタウンゼントとイントゥイション。字幅も太めで薄い紙なら裏写りするほどインクが良く出ます。
 
アウロラ(ペリカンインク)以外は中字(M)なのですが、モンブランの中字は中字と思えないほど細い!
 

 
今回比較に使っている各社のローラーボールリフィルに互換性はなく形も様々。
ひとつ言えることは、いずれのリフィルもインクタンクの容量が多いこと。
 

 
モンブランのリフィルは先端にねじが切ってあって、装填する際には首軸を持って回しながら入れます。
こうしたカッチリとペン先が固定されるところも書きやすい要因かも知れません。
 

 
渦巻きと斜線を書いてみてモンブランのインクの良さを検証します。
 
ペリカンの水性インクと書き味は似ているのですが、モンブランの方が「滲みが少ない」ことが分かります。
水性にしては粘度が若干高いのか特別な調合がされているのか、線がクッキリと見やすい理由はここにありました。
 
プライベートでもローラーボールを使い分けているのですが、シグナムクラシックの書き味が本当に好みです。
非常にシャープなラインが引けますのでちょっとした挿絵も描きやすいですし文字を書いても読みやすい。
 

 
軸を並べてみると、この4本のローラーボールの中ではかなり細身でコンパクトなモンブランのシグナムクラシック。
ペンケースから外せないペンの一本となっています。
 
 
さて、今回はモンブラン マイスターシュテュック ソリテール ドゥエ シグナムクラシック ローラーボールを比較レビューしてきました。
 
こちらもソリテール ドゥエ スターリングシルバーと同じで すでに廃番となっているモデルですが、大海原のような中古市場でたまに漂っているところを見かけますので、発見したら救い上げてみてください。
 

 
ソリテールシリーズはとにかく満足感の高い筆記具に仕上がっています。
これからも私の最高の相棒であり続けることでしょう。
 
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
それではまた。

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