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定番にして最強説!セーラー プロフィットはビジネスで頼れるボールペン 【プロフィット21/カスタム74/モンブラン#164と比較】

2021年9月11日

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皆さんこんにちは。

仕事で使いやすいボールペンの定義とは何だろう。ということを常々考えています。

仕事と言っても幅は広く、報告書を書いたりする時に使うような長時間の筆記がしやすいボールペンや、重要な書類に署名をする時に使うボールペン、お客様や先方にサインを頂く時に使うボールペン…。

ひとえに仕事用のボールペンと言えどその用途は様々かと思います。

 

仕事は一人でするという方もいらっしゃれば、チームでするという方もいらっしゃるでしょう。 

私が日々仕事をしていく中で使うボールペンを大きく二分するならば、じっくりしっかりと書きたい時は太くて重いボールペンを、サッと早く書いて仲間に要件を伝えたり、手早く仕事の企画案や振り返りを書く時は軽い軸のボールペンを使っています。

 

 

 

 

今回は後者の手早く書く方のボールペンで、今年2本目の国産物をレビューしていきます。

そのボールペンとは「セーラー プロフィット ボールペン」。以前にプロフィット21の方はレビューしましたが、今回見ていくのは軽量かつコンパクトな「プロフィット」の方です。これがなかなかに使いやすい!

 

前々から「取り回しがきき、国産で回転繰り出し式かつ所有満足感のあるボールペン」を探していて辿りついたボールペン。パイロットカスタム74と同じ5000円クラスのボールペンでありながら高級感もあり回転繰り出し式でエレガント。

実際に使ってみて、肩を張らずにビジネスでどんどん使える、まさに「頼れるボールペン」なのです。

 

手元にあるのは今は廃番となっている2本で、プロフィットマットブラックとプロフィットデモンストレーター。比較については大型のプロフィット21の他、同クラスのカスタム74、そして比較ではお馴染みのモンブラン#164です。

それではセーラーのプロフィットボールペンをじっくり見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

【マットブラックとデモンストレーターを比較】

通常モデルはグロスブラックのプロフィットですが、当ブログでは例によって普通のモデルを外していきます(笑)

 

 

マットブラックにゴールドのトリム(のモデルだと思うのですがクリップ以外はゴールドが薄くなっています)。マットブラックの部分はレジンのため見た目以上に軽いボールペンとなっています。

 

 

対するはクリア軸にゴールドトリムのデモンストレーター。通常、デモンストレーターはインク吸入の仕組みが分かるようになっている透明軸の万年筆を指すことが多いのですが、ボールペンも同様に中の回転繰り出し機構が分かるため、単なるクリアというより格好良くデモンストレーターと呼びましょう。

 

 

2本を並べるとこの通り。

同じプロフィットボールペンですが随分と印象は違います。透明軸のボールペンと言えばラミーサファリやウォーターマンのクルトゥールが思い浮かびますが、プロフィットのデモンストレーターもなかなか格好良い。

一方、樹脂で黒のボールペンというとグロッシーなものがほとんどですが、碁石のようなマットブラックの軸というのも渋いです。手触りはサラサラ。

 

 

キャップを比較してみます。当然といえば当然ですが、同じモデルなので樹脂以外のパーツ形状は同じ。

キャップリングには「SAILOR JAPAN FOUNDED 1911」。クラシカルな字体からはメーカーのもの作りに対する誠実さがにじみ出ているよう。クリップも同形状で真面目なデザインです。

 

 

デモンストレーターのキャップ内部に見られる回転繰り出し機構は、芯を繰り出すのに連動してピストンが動いているのが分かるようになっています。簡単に分解できるモンブラン#164でもお馴染みの回転繰り出し機構ですが、実際に使用中も見られるのは面白いものです。

 

 

続いて天冠。デモンストレーターの方は透明のため中が見えるのですが、狙ってか偶然なのか小さな気泡が見えます(笑)高級モデルではないのでそれほど気になりませんが、これはご愛敬といったところ。

デモンストレーターを見て関心したことが、樹脂の厚みがしっかりと設けてあるということです。透明だけどチープな感じが全くしないのは細部にも手を抜いていない証拠です。

 

ペン先に目をやると芯繰り出しの柔らかさや手応えに大きく関わるスプリングが見えます。

手元にある2本のプロフィットの回転繰り出し感覚には違いがあり、マットブラックはカスタム74のように手応えがあるねっとり系回転動作、デモンストレーターはアウロラやペリカンのような軽い回転動作でペン先が「クッ」とロックされるようになっています。

 

 

胴軸のバネを比べてみると、なるほど。巻き方も素材も違うようです。

デモンストレーターは太めのバネで巻きが少なく、マットブラックは細くて柔らかいバネで巻きも多いです。バネの巻き方や素材がそれぞれの操作感の違いを生み出していました。バネの違いは製造年代の違いによるものと見てよさそうです。

 

 

 

 

【プロフィット21ボールペンと比較】

私が所有するプロフィット21ボールペンはアイボリー。ここではプロフィットデモンストレーターと比較してみます。

 

 

大きさの違いですが、全てにおいてプロフィット21が一回り大きく、まるでモンブランの#164と#161を比べているかのような感覚です。

以前記事にしたように、プロフィット21は胴軸内のペン先側に金属パーツが仕組んであり低重心で安定した書き心地。

一方、プロフットは口金部分が小さく胴軸にはバネのみということもあって、どちらかというとキャップ側の回転繰り出し機構の重みにより ややリアヘビーとなっています。(軸自体が軽いのでヘビーと言うほどヘビーでもないですが

 

 

そのような造りの違いからも、冒頭で書いたようなプロフィット21はじっくりしっかりと書きたいとき用、プロフィットはサッと素早く書く用として使い分けています。

 

 

ちなみに同じ「プロフィット」と名の付いたボールペン2本ですが、装填するリフィルは異なっているため注意が必要です。それぞれのリフィル型番は、

 

プロフィット:18-0300

プロフィット2118-0500

 

となります。0300の方は黒い樹脂が目印ですね。

お互いを入れ替えて使えないわけではないのですが、ペン先から繰り出されるリフィルの量が違うため本来の書き味とは異なってきます。

この辺は同じメーカーの同じプロフィットシリーズとして合わせて欲しかったところですね。

 

 

 

 

【カスタム74・モンブラン#164と比較】

 

続いて他メーカーでの比較です。

国産という意味では同じ日本製のカスタム74とサイズや見た目的が似ているモンブラン#164

 

 

伊東屋限定の黒×シルバーのカスタム74との比較

カスタム74は同じようなグレード(定価5000円)のボールペンですが、口金の大きさや全長の長さから一回り大きなボールペンにとなっています。これで回転繰り出し式なら稼働が多くなったでしょうが、悲しいかなキャップノック式(キャップスライド式)なのです。

このデザインのボールペンであればノック式より回転繰り出し式の方がマッチすると思うんですよね。

 

 

クラシカルなデザインが近いモンブラン#164と並べるとプロフィットはコンパクトに見えます。キャップの大きさはほぼ同じなのですが、胴軸の長さと口金の小ささがコンパクトに見える要因だと言えます。

重さの差は1gでプロフィットの方が気持ち軽め。

 

 

ツヤのあるモンブラン#164もいいですが、マットブラックは本当に渋い!

デザインについて、おそらくですがモンブランのマイスターシュテュックに何かしら影響を受けていると思います。

ただ、例えそうだとしてもベストセラーのデザインを真似るのではなく、しっかりと日本製の筆記具を感じさせる真面目なデザインに落とし込んでいます。日本=真面目なデザインというと語弊がありますが、誰が見ても好まれるスタンダードで嫌みのないデザインと言いましょうか。

 

 

何気に真っ直ぐなラインではなく根元の太いクリップも個人的に気に入っている点です。

私は好きですねプロフィットのデザイン。

 

 

 

 

【プロフィットに入るインク(18-0300)の細字と中字を比較】

前述したとおりプロフィットには18-0300リフィルが入り、プロフィット21には18-0500のリフィルが入るということで、最後は書き味について書いていきたいと思います。

 

 

手元にあるプロフィットのリフィル(18-0300)はちょうど太字(1.0mm)と細字(0.7mm)。

この2本のリフィルの太さを比較しながら、今回登場したプロフィット21、カスタム74、モンブラン#164戸の比較も行っていきます。

 

 

書き比べるとこうなりました。

プロフィットのF(細字)は他のFと比べても一番細く、軸の軽さも相まってか非常に軽快にペンを走らせることができます。まさに前陣速攻型のボールペン。

プロフィットの軸が軽いので筆記時に力が入り気味になりますが、それによって線が太くなりすぎないようにリフィルの性能がうまくカバーしているといった感じ。プロフィット×18-0300細字は相性がかなり良いです。

 

同じ型番(18-0300)のB(太字)とプロフィット21用の18-0500、カスタム74BRFN-30はボール径は違えど線は同じような太さとなっています。

いや、パイロットのBRFN-30は黒色が濃くセーラーのB並みの太さに見えると言ったほうがいいのかもしれません。インクの粘度もゲルインク並みとまではいかないものの低粘度でフローは良好。濃いクッキリとした文字を書きたい場合はパイロットのインクが適しています。

 

18-0500()18-0300()の性能は同じ。ややねっとりとした純油性インクといった書き心地です。同じねっとり系のインクを使うなら太軸のプロフィット21の方が相性がいいように感じました。

 

モンブランのインクは粘度が高めでパッと見チャコールグレーのような色合い。国産の4本と比べても濃さの違いは明らかです。インクの名前も「ミステリーブラック」ですので万年筆用インクのように真っ黒というよりはパープルが混ざったような濃淡が出やすい色なのかも知れません。

 

 

 

さて、今回は惜しくも廃番となっているマットブラックとデモンストレーターの2本のプロフィットボールペンを軸に、他のボールペンとの比較を行ってきました。

 

軸については現行品でブラック、アイボリー、ブルー、マルンの4色で展開されていていずれもゴールドトリム。個人的には深い色合いのブルーも格好良くて気になるところです。

セーラーのボールペンではエントリーモデルの位置づけであるプロフィットですが、扱いやすい軸と軽快な書き味は仕事で活躍してくれることでしょう。

 

一本数万円のボールペンも良いですが、こういう「自分も使って、人にも気軽に貸せる」言わば取り回しのきくボールペンというのは何本あってもいいものです。その中でもセーラープロフィット×細字の軽い書き味はぜひ試していただきたいと思います。

今回も長くなりましたがお読み頂きありがとうございました。

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